2012年1月31日火曜日

チャンスなのか。。

先週、英会話教室で私の会話相手をしてくれる方がたまたまギャラリストでした。
冷たい印象でぴくりとも笑わないので、参ったな。。と思っていたのですが、
話の流れで私がアートをしているということを言う事になって、ギャラリーを探していますと
言うと、「ウチは有名なアーティストだけを取り扱っているギャラリーなの。でも新しいアーティストをみるのも
大切だからファイルを観てあげてもいいわよ」と、冷たーく言われてしまいましたが、
ギャラリスト特有のことなので、まぁ気にするな。と言い聞かせて「じゃあメールを送りますので、観てください」
と言っている所へ彼女の携帯が鳴りました。
彼女はちらっと携帯を観て、留守電にかえてから、 一言。
「私の作品みてくれませんか?っていう人が多くて困るのよね、本当忙しい」と。
うわーー最上級に悪だなぁ。と思いつつ、まぁいいやと流す。

家に帰ってから、作品のHPといくつかの写真を添付して送ると返事が。
「最高じゃない!』『指定した作品以外のはだめだけど」と
いつ観れる?NYに作品はあるの?と

NYにあります。言ってくれたら、見せに持って行きますよ。と返信をし、
じゃあ来週の英会話教室で会いましょうと言われ、全部ファイルを用意して
次週の教室へ向かうが、彼女は来なかった。。
からかわれたかな。。こんな売れない作家をからかわなくてもいいのになと。
連絡も来ないし、やっぱり忙しくて忘れたんだなと思っていたら、
今日の英会話教室に彼女は来ていた。

驚いた。満面の笑顔でお元気〜↑っ。
それからずーっと上機嫌で、作品の説明など聞いてくれ、
「私は、貴方の作品を高く売る事が出来る、展示もセッティングする。
多分アトリエもみつけるのを協力すると」
この言葉、3年前に聞いていたら、涙が出る程うれしかったと思う。
映画のような世界だと思う。

心躍らない自分がいたのでした。

何年もの間、中心には立てなかったものの、アートの世界を横目で見ていて、どういったことが現実なのか見てきました。
有名なアーティストになったとしても、ごく一部のお金持ちの税金対策だったり投資目的の為に使われ、売れなくなって来たらバッサリ切られる。
ギャラリストは投資家のエージェントであって、株(アーティストの値段)が上がらなければ安くたたく。
そういう世界であるのは随分前から承知の上でアーティストはお金持ちになりたいためにするのではないと思っているし、続けられる限り続ければ良いと考えてきました。

3月の震災があってから、私の価値観が変わりました。
お金持ちのお金の為に右往左往させられる トップアーティストになるのが私の人生の目標ですか?
と自分に問えば違うと。
ギャラリーを見つけてどんどん展示をしてどんどん売ってという生活がしたかった筈なのに、
ものすごく空しく感じるようになりました。
大勢の普通の人の暮らしには何も私は関われないという仕事は素敵なことではないと。
お笑い芸人が多くの人を笑わせ、どらえもんが子供達に夢を与えるということがどんなに価値があって、
素晴らしい事か。
そういうわけで、震災以降は自分の目的や価値観が変わった事で、どこに向かって歩けば良いかと
悩みましたが、アートは趣味の範囲で続けられればいいし、他のしたいこともある。
そんな中で、多くの人々を喜ばせる何かが出来ればいいと考えを変えたところでの出来事でした。

まだそのギャラリストとは何も話が進んでいないし、キャンセルされたりすることも
可能性がありますし、まるでサクセスストーリーを語るような文面ですが、
人生とはなんて、あまのじゃくに転んで行くのでしょうか。
それでもギャラリストとのお話は進めて行くつもりですが、心あらずになったら思い切って
切り替えていこうと思います。
彼女も私の作品を売って稼げると急に笑顔対応のような世界ですから。
甘えているんじゃない、お金を稼がないで何を言っている という人も沢山いるでしょうね。
アーティストの世界とお金の流れは、水と油のような気がします。

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